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ミョウガがある庭は、ちょっとやさしい。
この家に来たとき、庭の片隅にひっそりと生えていたミョウガ。
誰が植えたのかもわからないけれど、季節になると静かに芽を出し、何も言わずにそこにいてくれる。
「それ、ミョウガよ」 と、隣のばあちゃんが教えてくれたときの笑顔が、今もよみがえってきます。
ミョウガの気配を感じる季節
春が深まり、土がふっくらとしてくる頃。 「そろそろかな」と思って庭をのぞく日が増えます。
ミョウガはまだ顔を出してはいない。 でも、土の下から気配だけがふんわり伝わってくるようで、 その”まだ見ぬ存在”を待つ時間さえ、どこかうれしい。
私は、ミョウガをぶつ切りにしてラーメンに入れて食べるのが大好きです。 香りがふっと立って、ほんの少し辛みがあって、 食べるとなんだか、元気が出るんです。
まだその日までは少しかかりそうだけれど、 「もうすぐ会えるね」と、毎朝のように土に目をやっています。
控えめだけど、いないとさみしい存在
ミョウガは主張しません。 でも、ないとちょっと物足りない。
冷奴、味噌汁、そうめん── どれも主役は別にあるけれど、 そこに少しだけミョウガがあると、料理全体がふわっと引き立ちます。
そんなところが、人みたいだなぁと思うのです。 目立たず、控えめだけど、確かにそこにいて、 ちょっとした場面で、すっと力を発揮する。
ミョウガの小さな豆知識
ミョウガはショウガ科の多年草で、日本原産の植物。 花をつける直前のつぼみ部分を食用にします。 「茗荷」という名前には諸説ありますが、 仏教に由来する「名を荷(にな)う」=故人の名を思い出す、という説も。
古くは万葉集にもその名が登場するとか。
家庭菜園でも手がかからず、日陰でも育ち、 毎年しっかりと収穫できる頼もしい存在です。
保存は水を張った密閉容器か、ラップで包んで冷凍もOK。 刻んで酢漬けにしたり、天ぷらにするのもおすすめです。
おすすめの食べ方、教えてください
私はラーメンに入れる派ですが、 「うちは味噌汁に入れるよ」とか、 「酢漬けで冷蔵庫に常備してるよ」なんていう ミョウガ好きさんの話も聞いてみたいです。
ぜひ、おすすめの食べ方があれば教えてください。
最後に
今はまだ花も見えず、芽も出ていないけれど、 庭の土の気配から、「もうすぐだな」と感じられるこの時期。
ミョウガのある庭は、静かで、やさしい。 そんな庭にいると、自分の暮らしもなんだか、やさしくなる気がします。
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