言葉は、急に出てくるものじゃありませんでした。
日々を信じ、習慣を続けてきたからこそ、
ようやく届けたくなる言葉に出会えました。
そんな第5話です。
昔の僕は、言葉を人に届けるなんて、考えたこともありませんでした。
言葉はうまく使えないし、文章なんて自分とは縁がない世界だと思っていた。
それでも、noteに出会って、
ひとつひとつ、心の中を言葉にしていくうちに――
気がつけば、「誰かに伝えたい」という気持ちが生まれていたんです。
最初は、自分のために書いていたと思います。
不安だった日々の気持ち。
どうしようもない寂しさ。
誰にも話さずに抱えていたこと。
それを、noteの中でそっと綴ると、
まるで心が整理されるように感じられた。
そして、ある日。
「読んでよかった」「わたしも同じでした」――
そんな言葉が届いたとき、胸の奥がじんとあたたかくなった。
誰かに伝えるって、こんなにもやさしくて、強いことなんだと思いました。
でも、言葉は急には出てきませんでした。
毎日がむしゃらに走っていた若いころなら、
気づかずに通りすぎてしまっていた感情ばかりです。
僕に言葉を与えてくれたのは、“日々を信じて積み重ねた習慣”たちでした。
朝、冷たい水で顔を洗う。
トイレを磨く。玄関を掃く。
庭の枯れ葉をそっと落とす。
枯れ葉を落としてくれると、樹木もどこかうれしそうなんです。
お母ちゃんとごはんを食べて、「うまいね」と笑う。
そんな「当たり前の日々」が、
少しずつ心の奥から、言葉の“芯”を育ててくれたんです。
「言葉を届ける」というのは、格好のいいことじゃありません。
でも、「日々を信じること」ができたから、
「届けてみたい」と思えた。
もし、誰かの一日が少しでもやさしくなるなら、
それが“自分の役割”かもしれない、と思えるようになった。
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